
Eメールやファクシミリなど便利な通信手段を自由に使える現代だからこそ、自筆の手紙を送れば印象度はアップ。今までよりちょっと親密で、「濃ーい」お付き合いが始まるきっかけになりそうです。
とはいえ、きちんとしたマナーやルールがある手紙。知らなければ、かえって失礼になってしまうかもしれません。そんなことにならないように、手紙やハガキの基本的なマナーをいくつかご紹介します。
ビジネスレターなら用件を優先して書くのが一般的ですが、正式な手紙は基本的に3つのパートで書くことを覚えておきましょう。
最初のパートは「拝啓」などの頭語と時候のあいさつ、次がその手紙で伝えたい内容、最後は締めくくりのあいさつと「敬具」などの結語です。ここで注意したいのは、頭語と結語には決まった組み合わせがあること。「拝啓」には「敬具」を、「前略」には「草々」を、それぞれ合わせるのが一般的。書き手が女性の場合は、「一筆申し上げます」などで始め、「かしこ」で結ぶことが多いようです。
そんな、いくつかある頭語の中で一番手軽なのが「前略」。前文を略しますという意味で、時候の挨拶を省略する場合に用います。季節に合わせたあいさつで悩まずに済むので便利ですが、せっかく手書きで送る手紙ですから、略したりはせずに、ちょっとオシャレでオトナなあいさつを考えてみたいものですね。
ワープロやパソコンを使うようになって、あまり気にしなくなったことですが、手紙を書く場合、相手の名前を行頭に置くように気をつけましょう。とくに縦書きの便せんを使う場合には、文字の大きさや文章の流れを考えて調節するのがマナーです。絶対に避けなければならないのは、相手や家族の名前、相手の会社名などが行をまたいでしまうこと。単語や熟語が2行にわたってしまうのも、嫌うことが多いようです。
手紙を書くときでも、相手を上に、自分を下に。言葉づかいや敬語の選び方だけではなく、こうしたところにまで謙譲の気持ちを込めるなんて、いかにも日本人らしい気づかいですね。
短い手紙で便せんが1枚だけで用件が終わってしまった場合、白紙の便せんを1枚同封する習慣があります。もともと手紙は便せん2枚以上にしたためるのが一般的だったからとも、古くから紙の大きさの基本とされる半紙の半分のサイズしかない便せんだから、白紙を追加して半紙一枚分にしたともいわれていますが、その起源ははっきりしていません。手紙以外の同封物がある場合は不要とも、合理的な考え方が一般化した最近は同封しなくても失礼にあたらないとも言われますが、年配の方や目上の方に手紙を出す場合には、白紙を一枚添える方がよいでしょう。
ちなみに、三省堂の国語事典「大辞林」には、書状を出す時本文を書いた紙に儀礼的に添える白紙、あるいは書状の余白の意味で、「礼紙」という言葉が記載されています。



