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| そして、特定保健用食品と厚生省が認めた食品にマークを付す許可を認めた。本来の目的は妊婦や乳幼児、高齢者の滋養であった。今日では、この目的を逸脱して、1.ダイエット2.健康増進3.滋養4.美人になる5.不老6.冷え、便秘の改善などに健康食品が用いられている。東京オリンピック以来世の中が好景気になり、飽食と偏食と食品の欧米化が進んだことに危機感を抱いた当局が食の偏りに歯止めを掛けたいと考えたのではないかと思われる。 |
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当時は食の安全どころか食の安定供給すら覚束なかった時代である。
この時代、仏国西洋美術展覧会に出品のロダンの「接吻」は撤回には及ばぬが公開はまかりならぬと警視庁が警告したのに対しフランスから外務省に厳重抗議があった。結局、研究者、専門家にのみ鑑賞が許された。わが国はまだそんな時代であった。明けて昭和元年ビール余剰酵母の製剤化の研究が開始されている。ビール酵母には豊富なビタミンB1が含まれているとイギリスの雑誌に発表があった。これに啓発されて「ビタミンB1補給剤」を製剤化すべく研究が進んだ。昭和2年には栄養剤の製造方法特許を得て、昭和3年目黒工場で「エビオス」製造設備が完成した。 |
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この「エビオス」は、当初の目的である豊富なビタミン群を製剤化することであったが、結果として蛋白質やミネラルも含まれていることが分り、医薬品としてもその効能効果は耐えるものであった。この昭和5年は浜口首相が東京駅プラットホームで狙撃され「男子の本懐」と叫んだ年でもある。首相は翌年これがもとで死亡している。また、谷崎潤一郎が佐藤春夫に妻を譲ったり、東京市板橋において養子養育費受給目的で養子を貰い栄養失調の名目で殺害する事件などがあったすさまじい時代であった。世界不況の余波を受けて鐘紡では給与の四割減給を通告して「ストライキ」に突入された。世論は労働者側に同情し巨額のカンパが集まった。一方、大阪美人座が東京銀座に進出しカフェーでの風俗が評判になり、東京も負けてはならずとカジノで踊り子が過激な演出をするという噂が広まり警視庁が大童であった。世の中が上から下まで発展途上の状態であった。そんな中で国民の滋養向上を目指したエビオス錠が販売されたのである。当時の新聞を読み返してもロンドン軍縮会議、浜口首相狙撃、鐘紡ストライキ、聖徳太子をデザインした紙幣登場、豊田佐吉(トヨタ)64歳で死亡などが大きく取り上げられ、このエビオス錠の記事は見出しにもなっていない。
多少宣伝くさくなるが、このエビオス錠には豊富なビタミン群以外に、必須アミノ酸の他リン、カリウムなどのミネラルが含まれている。この意味からして、エビオス錠は医薬部外品というものの総合ビタミン剤、滋養剤として効能効果が認められる。従って、妊婦や乳幼児、高齢者、病後回復期などには適応があると考えられる。今日の「健康食品」の定義に照らして「エビオス錠」を再度見直してみることも良いのではないだろうか。
エビオス錠の効能効果に食欲不振、食欲減退、胃弱、胃部膨満感、消化不良、もたれ、胸つかえ、吐き気などが表示されている。この様な症状が続く場合は漫然と本剤を飲み続けず、かかりつけの医師または消化器・胃腸科の医師の診察を受けて、器質的疾患のないことを確認してから飲んで欲しい。 |
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| 現在の地球上でもその様な幸せな地域は限られている。それを良いことにして、過食、飽食、偏食によって病気になったり、肥満になるなど論外である。健康は自らの努力と節制によって得られるもので与えられるものではない。いかに医学、医療が進歩しても自助努力に勝る健康法はあり得ない。病気にならないことを目標にして、食事、環境、仕事、運動に留意して欲しい。 |
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